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メルセデス・ベンツ日本株式会社との連携活動「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2022-2024」 のアーティスト2名が決定


本学は、2022年に締結したメルセデス・ベンツ日本株式会社(社長:上野 金太郎、本社:東京都品川区)との連携協力協定に基づき、同社が1991年より30年以上継続している文化・芸術支援活動「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」の2022-2024年における新プログラムにパートナーとして参画し、次世代アーティストの育成と国際交流を支援しています。このたび、同プログラムのアーティスト2名が決定しました。

「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2022-2024」アーティスト

笹岡由梨子(2023年 ドイツ・ベルリンに派遣)
アニカ・カース(2024年 東京に招聘予定)

写真左から、笹岡由梨子氏、アニカ・カース氏

日独の気鋭アーティストが
多摩美術大学でレクチャー、ワークショップを実施

「メルセデス・ベンツ アート・スコープ」は、現代美術の有望な若手アーティストの育成と国際交流を促進し、芸術・文化のさらなる発展に寄与することを目的とした同社のCSR活動です。日独間でアーティストを相互に派遣・招聘し、異文化での生活体験、創作活動を通じて交流を図り新たな作品を制作する滞在プログラム「アーティスト・イン・レジデンスプログラム」※1を主軸としています。

2022年からの新プログラムでは、次世代アーティストの育成によりいっそう寄与すべく、笹岡由梨子氏、アニカ・カース氏両名は、日独での滞在プログラム終了後、多摩美術大学の大学院生を対象とした特別プログラム「エクスペリメンタル・ワークショップ(EWS)」※2のゲスト講師として、レクチャー、ワークショップ、パフォーマンスを行います。

笹岡氏によるレクチャーとワークショップは、11月27日(月)、本学八王子キャンパスで実施されました。レクチャーでは、ドイツ・ベルリン滞在中に動物の衣装を制作して動物寓話(Tierfabel:ティアファベル)を再現するパフォーマンスを行った経験などの奮闘記をお話しいただきました。ワークショップでは、「動物労働寓話@多摩美 ~動物たちと学ぶ、私たちの労働~」をテーマに、笹岡氏と学生がかつて学内にいた動物たちについてリサーチしました。今後、学生のアイデアをもとにストーリーを練り上げ、12月下旬にその成果発表としてのパフォーマンスを行います。

※1 NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]の協力のもと実施
※2 エクスペリメンタル・ワークショップ https://graduate.tamabi.ac.jp/master/ews.html別ウィンドウリンク

アーティストプロフィール

笹岡由梨子

1988年、大阪府生まれ。2014年、京都市立芸術大学美術研究科修士課程油画専攻修了。2017年、同博士(後期)課程メディア・アート専攻満期退学。2018年に京都市芸術新人賞、2019年Kyoto Art for Tomorrow2019-京都府新鋭選抜展-最優秀賞、2020年京都府文化賞奨励賞と咲くやこの花賞を受賞。主な展覧会に、2022年「PLANARIA」PHD Group(香港)、2021年「Zniknij Z Ziemi」Trafostacja(ポーランド)(以上個展)、2022年「ドリーム/ランド」神奈川県民ホールギャラリー(神奈川)、「Reborn Art Festival 2022 -利他と流動性-」旧つるの湯(宮城)、「Rendering」PHD Group(香港)、2021年「水の波紋展2021」渋谷区役所 第二美竹分庁舎(東京)、「まみえる -千変万化な顔たち」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川)(以上グループ展)など。

アニカ・カース

1984年ドイツ、アヒム市生まれ。ハンブルクとベルリンを拠点に活動。ヴィラ・オーロラ(ロサンゼルス)、ヴィラ・スール(ブラジル)でのレジデンスをはじめ、多くの賞やスカラシップを受賞。 ハンブルガー・バンホフ現代美術館(ベルリン、ドイツ)などで展覧会を開催したほか、第5回テサロニキ現代美術ビエンナーレ(2015年、ギリシャ)、第16回リヨン現代美術ビエンナーレ(2022年、フランス)など、大規模な国際展でも作品を発表している。

選考理由(選考委員からのコメント)

笹岡由梨子

人形劇やアニメーションを想起させながら、映像や音、歌詞、光などを巧みに組み合わせ、
私たちの身体性に働きかけるインパクトの強い作品を制作している。また、歴史やアレゴリーに対する関心が高く、不穏さとコミカルさの両面を見事に表現している。国家や民族間の争い、地球環境の破壊などが声高に叫ばれるこの時代において、アーティストとして世界をどう読み解き、何を伝えられるのか。このシンプルで根源的な問いを、寓話や神話を通して考え、作品に落とし込む作業を実直に行ってきた点を含めて、総合的に評価した。学生との対話を通して、唯一無二の面白いワークショップを作り上げることへの期待も高かった。

アニカ・カース

これまでに数々の賞や助成金を得ているほか、大規模な国際的な展覧会にも参加している実力のあるアーティスト。彼女が注目する「音」は、日常生活で私たちを取り囲む音だけでなく、非日常的な音やノイズも含まれる。特定の場所やコミュニティに入りこみ、個人の状況などについて綿密なリサーチを重ね、さまざまな形の人間関係や状況を、音や映像、インスタレーションの形で表現している。そのため東京という国際都市でレジデンスをすることは、今後の展開において、大いにインスピレーションの源となるであろうことに期待をした。また多摩美術大学で日本の学生とワークショップを行う経験も、新しいプロジェクトの出発点となることが想像でき、評価のポイントとなった。

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ドイツ派遣アーティストの選考は2022年12月より開始し、本学とAITが推薦した8名の候補者のなかから、メルセデス・ベンツ日本、AIT、本学の選考委員からなる最終選考会にて笹岡由梨子氏に決定しました。日本への招聘アーティストの選考は2023年9月に行われ、メルセデス・ベンツのドイツ本社アート部門により推薦された2名の候補者から、アニカ・カース氏に決定しました。

<選考委員>

※以下、敬称略
上野金太郎(メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO)、フェリックス・ブリッチュ(同社代表取締役副社長兼CFO)、長谷川孝平(同社マーケティング/O2O 推進部部長)、塩見有子(AITディレクター)、建畠晢(多摩美術大学美術館長、前学長)、小泉俊己(多摩美術大学美術学部長、絵画学科油画専攻教授)、家村珠代(多摩美術大学芸術学科教授)、大島徹也(多摩美術大学芸術学科教授)

  

関連リンク

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