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筑波大附属駒場中学校の5名が「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」について、メディア芸術・久保田晃弘教授を取材


中学生の皆さんからの質問を受ける久保田教授

5月17日、筑波大学附属駒場中学校の2年生5名が「総合的な学習の時間」の授業の一環で来校し、メディア芸術コース久保田晃弘教授への取材を行いました。

生徒の皆さんは「東京から広がるアートカルチャーの特色」をテーマに地域研究を行っており、近代美術の実際の制作過程や、現代アートが文化としてどのようにほかの芸術と共存できるかについて興味を持ったとのこと。リサーチをすすめるなかで、本学が2010年に開始した「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」を知り、今回の取材に至りました。

「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」は、芸術・デザイン活用を主目的とした衛星を打ち上げた世界初の試みです。地球を周回する衛星や深宇宙に投入される宇宙機を「宇宙と地球をつなぐメディア」ととらえ、超小型の芸術専用衛星を打ち上げ、そこから得られるデータを使ってインタラクティヴなメディア・アート作品やサウンド/ソフトウエア・アート作品などの制作実験を展開。東京大学とのコラボレーションを軸に多分野のメンバーから構成され、久保田教授はリーダーとして本プロジェクトを推進してきました。

取材では、生徒の皆さんから2014年2月に打ち上げられたARTSAT1号機「INVADER」に関する質問を受け、久保田教授はプロジェクト始動のきっかけや制作の過程について詳しく話しました。また、音声や音楽、詩のアルゴリズミックな生成と送信、写真の撮影と送信、チャットボットによる地上との対話など、INVADERが達成したさまざまな芸術ミッションの成果について、当時の資料をスライドで見せながら実際の交信音源なども流し、衛星を専門家のための「特別なモノ」から、市民の日常のなかの「身近なコト」へと変えたその意義を伝えました。

久保田教授のお話に付随して生徒の皆さんからも数々の質問が寄せられ、取材は約2時間にもおよびました。後日、取材内容をレポートにまとめ、授業内で発表するとのことです。

世界初の芸術衛星 ARTSAT1: INVADER(2014年2月〜9月、H-IIAロケット23号機の相乗りで打ち上げ)

INVADERが宇宙空間で撮影し、本学内におかれた主管制局に向け送信した画像データ(原寸大)

  

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