朝日新聞社×多摩美術大学 情報時代の新たなニュースメディアをデザイン

  • TOP >
  • Activity News >
  • 朝日新聞社×多摩美術大学 情報時代の新...

朝日新聞社内の地下にある巨大な輪転機を視察

オープンキャンパス期間中に実施された学内発表会

記者を含む30名もの朝日新聞社員が集まった最終発表会

新聞のスクラップや本社見学などを通じて課題を抽出

SNSなどの新しいメディアの台頭により、社会における情報の接し方や信頼性が問われる昨今。今期、朝日新聞社と情報デザインコースの永原康史教授と清水淳子講師が「ニュースの新しい伝え方」をテーマに、東京2020オリンピック、パラリンピック報道の新しいデザインの形を最終目標に掲げ、情報時代の新しいニュースメディアのデザインに取り組みました。
本授業では学生22名がまず、実際の新聞を購読し、気になる記事をスクラップすることによる検証を重ねました。次に朝日新聞本社を訪れ、記者フロアや地下にある巨大な輪転機を見学したほか、双方向型ニュースサイト『withnews』の奥山編集長と現役記者によるレクチャーや、デザイン部で活躍する本学グラフィックデザイン卒業生から直接説明を受けるなどして、情報を発信する側に対する理解を深めました。その後、各自が現状の課題を抽出し、それを解決する新たなニュースメディアとして具体化。7月14日、15日に行われたオープンキャンパスで展示と学内発表を行いました。この場には同社員だけでなく、サイバーエージェントや株式会社ライフルで活躍する本学卒業生のデザイナーも講評に訪れました。

日常の中でニュースに触れる新しいメディアを提案

7月27日に朝日新聞本社で行われた成果発表会には、関係部署外の記者も含め同社内から約30名の社員が集まるなど、非常に高い関心が伺えました。そうした注目の中、各自が検討と試作を重ね完成した作品が、次々と発表されました。
「若者は情報に接する時間がない」という課題意識と「インスタ映えのように写真に撮りたくなるもの」との掛け合わせから、オシャレなカフェを想定し、ドリンクカップの側面に話題のニュースを印刷することで「食事中に対話のきっかけを生む」作品。若者の集まる場に情報との接点を作ろうと、クラブのVJ(ビデオジョッキー)を想定し、新聞の情報を映し出す作品。デジタルサイネージに、新聞の情報を縦書きのまま読み込みランダムに表示する作品では、朝日新聞社、本共同研究メンバーの小野玲子さんから「情報を流し込んだような整ったインターフェースは街中でも飽和しているけど、敢えて整えずに表示することで、一瞬バグのような違和感が生まれ、思わず見てしまうおもしろい作品」と評価を受けるなど、課題解決のための多様なアイデアが出され、すでに実現に向けて動き出している企画もあります。同社との取り組みは、テーマを変えながら、来年度に向けても継続されます。

期間:2018年4月~
多摩美術大学 情報デザイン・永原康史教授、清水淳子講師

2018年9月26日 13:28