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多摩美術大学サーキュラーオフィス 未来を見据えた循環型社会を探究するレクチャーシリーズ第三弾「「循環する拾得物」~なおすことでしか見えない眺め」


トークイベントの様子。写真左:青野文昭氏、写真右:木村剛士准教授

1月14日、八王子キャンパスにて、多摩美術大学サーキュラーオフィス レクチャーシリーズ第三弾『「循環する拾得物」〜なおすことでしか見えない眺め』を、美術家の青野文昭氏を講師にお迎えし開催しました。彫刻学科の木村剛士准教授が聞き手を務め、ファインアート、デザイン、芸術理論など、多様な学科の学生約20名が聴講しました。

青野氏は90年代より「修復」を一貫したテーマに、廃棄物や拾得物を、その破損部分や欠損部分、使用の痕跡を手掛かりに「なおす」という行為の連なりによって作品制作を続けて来られました。東日本大震災以降は、故郷の宮城県を拠点に被災物を通して過去に寄り添い、「なおす」ことで今に問いかけ、向き合っています。

本セッションでは、これまでの青野氏の「循環」を意識した作品や制作方法などをご紹介頂くとともに、「なおすこと」「修復すること」の意義や価値に着目したお話が展開されました。さらにデザイン分野では語られることの多いSDGsやサステナビリティにアートの分野から焦点を当て、これからのあり方を探りました。

気候変動や環境破壊等、地球環境の保全が一層重要になる今日において、「人間の創造性はどうあるべきか。今を生きるわたしたちが問題を背負いながら実践していくことが重要なのではないか」という、これからのデザインやアートシーンを担う学生たちへの投げかけにもなるお話が繰り広げられ、質疑応答も予定時間をオーバーするなど充実した講義となりました。

「なおすこと」から見えてくるものについて、時折ユーモアを交えながらの青野氏のお話に、学生たちは熱心に耳を傾けていました

【サーキュラーオフィス レクチャーシリーズ・第3回実施概要】

日 程:2024年1月14日(日)
時 間:15:00~16:30
会 場:多摩美術大学 八王子キャンパス 彫刻棟群視聴覚室
参加費:無料(要事前予約。申込受付は先着順)
登壇者:青野文昭(美術家)
    木村剛士(多摩美術大学 彫刻学科 准教授)

登壇者経歴:

青野 文昭/Aono Fumiaki
1968年仙台生まれ。1992年宮城教育大学大学院美術教育科修了。
90年代より「修復」を一貫したテーマとし、廃棄物や拾得物を、その破損部分や欠損部分、使用の痕跡を手掛かりに「なおす」方法で作品を制作。東日本大震災以降は、故郷である宮城県を拠点に被災物を「なおす」ことで過去のかけらに寄り添い、向き合いながら制作を続ける。

【多摩美術大学サーキュラー・オフィス(Circular Office)】

この惑星における美術のあり方を深くとらえなおし、「つくる」ことを基礎におく美術(Art and Design)に、新たな視点として「循環(Circular)」という考え方と実践をかけ合わせます。「つくる」という営為の前後への想像力を持ち、「つくるもの・こと」を通じてこの惑星に「あらたな価値(幸循環)」を創出すると同時に、来るべき社会や文化をつくり、担い、つくりなおしていく人びととともに活動を展開します。

  

関連リンク

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