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アカデミー賞ノミネート経験を持つアニメーション監督 アレ・アブレウ氏の特別講義&新作『ペルリンプスと秘密の森』の先行上映を開催


ブラジルアニメーション界の巨匠アレ・アブレウ監督(以下、アブレウ監督)による特別講義と新作映画の先行上映を、11/13(月)に、八王子キャンパスで開催しました。

学生に向けて語りかけるアレ・アブレウ監督

アブレウ監督は、前作「父を探して」で数々の映画賞を獲得し、第88回アカデミー賞では長編アニメーション部門で南米勢として初めてノミネートされた経験を持つ国際的なアニメーション監督です。12/1(金)からは、最新作「ペルリンプスと秘密の森」の日本公開を控えています。

このたび、映画のプロモーションのため来日されたアブレウ監督をゲストとして、11/13(月)に、グラフィックデザイン学科主催による在学生を対象にした特別講義と最新作「ペルリンプスと秘密の森」の先行上映を開催しました。当日は、まず、アブレウ監督の代表作でもある前作「父を探して」が参考上映され、続いて監督独自の色彩表現で描かれる映像美と魔法の森を舞台にした現代社会への示唆に富む作品「ペルリンプスと秘密の森」が日本で初公開されました。その後行われた特別講義では、先行上映を鑑賞した学生によるアンケート内容をもとに、映画配給・制作会社「ニューディアー」代表の土居伸彰氏と、アニメーション作家でもある本学非常勤講師の水江未来氏(07年大学院デザイン専攻グラフィックデザイン領域修了)によるアブレウ監督のインタビューが行われました。

インタビューでは、アブレウ監督がアニメーション監督になるまでの遍歴から、約7年半もの制作期間を費やした「ペルリンプスと秘密の森」の初期構想から最終的に作品として具現化するまでの工夫、オープニングシーンに込めた意図、デジタル制作ながら背景にはアクリル絵の具によるアナログなぼかしの色彩を用いた狙い、森が象徴的に示すもの、音楽に求めたものなど、実に多岐に渡るテーマが取り上げられました。また、学生のリクエストにより、檀上には途中から助監督であるヴィヴィアーニ・ギマランイス氏も登壇。監督を支える立場として心がけていた点やコロナ禍の制作で工夫したこと、スタッフ採用時の過程なども語られました。そして、講義の最後には、監督から「若い皆さんは、自分なりのインスピレーションを見つけて、進みたい道にまい進してほしい」というメッセージが寄せられました。会場には、グラフィックデザイン学科の学生のみならずファインアートなど様々な専攻の学生が集まり、国境や文化を超えて活躍する世界的アニメーターの話に熱心に耳を傾けていました。

また、特別講義後に行われた取材では、アブレウ監督が少年期に影響を受けた日本のアニメーション作品を紹介。「ペルリンプスと秘密の森」にも多いに盛り込まれている比喩的表現のきっかけが日本文化にあるといった講義内で話し切れなかったエピソードも明かされるとともに、「未来のクリエイターである学生に向けて、今の自分のアニメーション監督としての話を伝えることができてよかった」と感想を添えられました。

特別講義の様子

助監督の仕事を語るギマランイス氏(右)

アブレウ監督手書きのイラストボードも公開

(左から)ギマランイス氏、アブレウ監督、水江未来氏、本学教授・野村辰寿先生、土居伸彰氏

長編アニメーション映画「ペルリンプスと秘密の森」(2023年12月1日日本公開)

<あらすじ>
敵対する太陽と月の王国。それぞれから派遣された秘密エージェントのクラエとブルーオ。彼らの任務は巨人にその存在を脅かされる魔法の森を救うため、謎の「ペルリンプス」を探すこと。共通の目的のため、違いを乗り越えて協力し合うことにする。彼らの旅はやがて思いがけない結末へと辿り着く…

脚本・編集・監督:アレ・アブレウ 
配給:チャイルド・フィルム、ニューディアー
公式サイト:https://child-film.com/perlimps別ウィンドウリンク


 

関連リンク

『ペルリンプスと秘密の森』公式サイト別ウィンドウリンク
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