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環境デザインの学生が八王子市の特別養護老人ホームで壁画を制作


環境デザイン学科の学生有志が描いた八王子市の特養老人ホーム清明園の壁画。※写真は学生提供

  

環境デザイン学科の学生有志が2022年7月1日に開園した特別養護老人ホーム「清明園」(八王子市裏高尾町)内を彩る壁画を制作しました。1年生から大学院生まで26名の学生が参加し、地下1階から屋上階までの5フロア分の階段の壁や踊り場に、高尾の自然をモチーフにした作品を描きました。

そこで働く人を思って描いた、高尾の四季折々の風景

今回の壁画制作は環境デザイン3年の土方身佳さんの家族と清明園の施設長とのつながりから依頼されたものです。授業では大きな絵を描くことがないので挑戦してみたいという思いがあり、土方さんは同じく3年の下里知菜さん、中山晴賀さんを誘い、今年2月に制作を開始しました。「自由に描いてほしい」という依頼でしたが、清明園の方から施設周辺の自然の魅力を聞くうちに、高尾の動植物や施設の側を流れる川をモチーフに選び、フロアごとに色彩を変えて四季折々の風景を表現することにしました。階段を利用するのは主に施設の方で、忙しい合間で目にしたときに少しでもやすらげるような色を考慮し、フロアごとに変化する風景に物語性を感じてほしいという思いを込めて制作しました。

現場での作業は5月下旬に始まり、完成までに3週間ほどかかりました。5フロアと描く面積が広いため、土方さんの所属する環境デザイン学科研究室を通じて協力してくれる学生を募り、現場での作業には3人のほかに23人がボランティアとして加わりました。「実際のスケールにあわせて描くのが難しく、デザインを調整しながら進めました」(下里さん)。「大学の課題で設計もするので、建物の工事の過程や作業現場が見られたことは良い経験になりましたし、現場の一員になって描くことができたのも楽しかった」(中山さん)。

絵を描いたことで「空間」が変わったことを実感

完成後の内覧会では施設の方々をはじめ訪れた方からも好評を得ることができ、地元メディアでも取り上げられました。「自分たちが作ったものを喜んでもらい、それを間近で感じられたことは、学校の課題では得られない感覚でした」(土方さん)。

約半年にも渡るプロジェクトを終えて、「大人数でのコミュニケーションのとり方や作業計画の大切さを知れ、社会に出たときにもこうした経験が生かせるのではないか」(下里さん)、「絵を描き、空間のイメージが変わったことが実感できたので、そのような世界観を変えられるような仕事をしてみたいと感じた」(中山さん)、「社会に出てもこのように『人に寄り添う』仕事をしたい。自分が考えたものを実現化させることに大きな達成感を感じた」(土方さん)と、環境デザインでの学びをリンクさせながら、それぞれの将来につながる気づきを得られる経験になりました。

  

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