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演劇と美術の新しい形を考える1週間 ~2022年度日本演劇学会全国大会のご案内~


5月29日から6月5日の間、多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科の主催による日本演劇学会の全国大会が上野毛キャンパスで行われます。

日本演劇学会は74年の歴史のある、日本でもっと古い演劇研究の学術団体です。第一線で活躍している演劇研究者や演劇人が所属しています。

今回のテーマは「演劇と美術」。研究展示と3つのシンポジウムなどを通して、演劇と美術のインタラクティヴな関係について探究し、演劇と美術のこれからを考えます。

みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。お申し込みの際は、下記の日本演劇学会「参加申し込みフォーム」に必要事項を記入の上、5月18日(水)までに送信してください。なお、シンポジウムとパネルセッションは事前予約制です。定員になり次第、受付を終了いたしますので、早目にお申し込みください。

研究展示「近代日本の演劇と吉田謙吉」

日時:2022年5月29日(日)~6月5日(日)

日本演劇学会全国大会「演劇と美術」

日時:2022年6月3日(金)~6月5日(日)
場所:多摩美術大学 上野毛キャンパス
アクセスマップはこちらから別ウィンドウリンク

【お問い合わせ先】
総合窓口:engekigakkai2022@gmail.com別ウィンドウリンク
〒158-8558 東京都世田谷区上野毛3-15-34 
多摩美術大学美術学部 演劇舞踊デザイン学科研究室
電話:03-3702-1186(直通) Fax:03-3702-1192
実行委員長:土屋康範 (本学演劇舞踊デザイン学科教授)

研究展示と3つのシンポジウム

学内共同研究「近代日本の演劇と吉田謙吉」研究展示と前夜祭シンポジウム

                                                                                                                                                                                                                                    
吉田謙吉(1897-1982)は、日本の近現代演劇の草分けである築地小劇場の創設時からのメンバーとして数多くの舞台美術やポスターの製作を担当し、その後も演劇、舞踊、映画の分野で精力的に活動を続けてきました。また多摩美術大学、日本大学、玉川大学などで舞台美術教育にも携わっています。そして、もう一つ注目すべきことは今和次郎らと関東大震災後の復興する街の看板装飾や風俗の変遷を研究し「考現学」へと発展させたことです。今回、研究展示とシンポジウムを通じて、このように大正から昭和にかけて多面的でユニークな創作活動を展開し、日本の演劇界や美術界に影響を与え続けてきた謙吉の功績に光を当てます。

〇研究展示「近代日本の演劇と吉田謙吉」

日時:2022年5月29日(日)~6月5日(日)
場所:@上野毛 A棟スタジオS

多摩美術大学の学内共同研究「近代日本の演劇と吉田謙吉」において、収集、整理した舞台美術写真、デッサン、演劇ポスター、舞台美術模型、著書等の展示会を行います。


築地小劇場の公演で吉田謙吉がデザインした公演ポスター


自著『舞台装置者の手帖』の装幀


〇前夜祭シンポジウム

日時:6月3日(金)18:00~20:00
場所:@上野毛 A棟スタジオS

パネリスト:塩澤珠江(吉田謙吉長女、「吉田謙吉・資料編纂室」長)、伊藤雅子(舞台美術家、日本大学、東京造形大学)、鈴木健介(舞台美術家、桐朋学園芸術短期大学、桜美林大学)、濃野壮一(舞台美術家)
コメンテーター:阿部由香子(共立女子大学)
司会:加納豊美(本学演劇舞踊デザイン学科教授)


吉田謙吉の舞台美術(1924年、築地小劇場第一回公演 R・ゲーリング『海戦』)

学内共同研究『近代日本の演劇と吉田謙吉』 研究成果発表のご案内別ウィンドウリンク

 

〇シンポジウム Ⅰ「NODA・MAPにおける美術のポジション ――野田秀樹の作品を例として」

 


野田秀樹 教授

日時:6月4日(土)16:20~18:20
場所:@上野毛 映像スタジオ

パネリスト:野田秀樹(劇作家、演出家、役者、NODA・MAP、東京芸術劇場芸術監督、本学演劇舞踊デザイン学科教授)、堀尾幸男(舞台美術家)、ひびのこづえ(コスチューム・アーティスト)、嶋田直哉(明治大学)
コーディネーター・司会:内田洋一(文化ジャーナリスト)

寓話性の高い野田秀樹の作品では舞台美術と衣裳は重要な位置を占めています。そこで野田秀樹と長年にわたり作業をともにしてきた舞台美術家の堀尾幸男氏、コスチューム・アーティストのひびのこづえ氏をお迎えし、舞台美術と衣裳の役割、つまり不可視な領域を可視化する作業について考えます。本シンポジウムを起点に演劇と美術のインタラクティヴな関係を確認し、今後の研究や創作に新たな視座が加わることを願ってやみません。

 

〇シンポジウム Ⅱ「演劇と美術 ―入り交じる時間と空間―」

 


岡田利規 氏 toshiki_portrait ©宇壽山貴久子


日時:6月5日(日)15:15~17:15
場所:@上野毛 映像スタジオ

パネリスト:岡田利規(演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰)、高嶺 格(美術家、演出家、本学彫刻学科教授)、橋本 裕介(ロームシアター京都)、關 智子(早稲田大学)
コーディネーター・司会:萩原 健(明治大学)

近年では演劇と美術の境界がますます曖昧になってきています。既成の芸術ジャンルを越境して創作する美術家の活躍が目立ってきており、パフォーマンスや演劇的な要素を取り込んだ美術作品が多くなってきました。演劇人の中でも美術家と協業することで演劇表現の可能性を広げようとする試みがさかんになってきています。このシンポジウムでは、現在進行している、このような演劇と美術のボーダレスな関係について語り、演劇と美術のこれからを考えます。

 


「God Bless Baseball」岡田利規×高嶺格 撮影:宇壽山貴久子


「消しゴム森」岡田利規×金氏徹平 撮影:木奥惠三 写真提供:金沢21世紀美術館

  

関連リンク

日本演劇学会 公式サイト別ウィンドウリンク
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