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勅使川原三郎客員教授がベネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞



©︎Akihito Abe

  

演劇舞踊コースの勅使川原三郎客員教授がベネチア・ビエンナーレのダンス部門で金獅子賞(生涯功績賞)を受賞しました。日本人の同賞受賞は初めての快挙で、鋭敏な彫刻的感性や力強い振付の感覚、動きの独自性が融合し、新たな美を創出したことなどが高く評価されました。

本展は1895年からイタリア・ベネチアで隔年開催されている現代美術の国際美術展覧会です。今年7月に開催される同部門のオープニングで、勅使川原客員教授によるストラヴィンスキー作曲「ペトルーシュカ」が受賞記念公演として上演される予定です。

受賞のコメント

日々の空の変化の下で、私たちは自然の動き以上に確証のない人生を生きています。
それは矛盾と対立なしに成り立たないことは確かです。
人々が信頼し合うこと、そして尊敬し合うことによってしかその矛盾を受け入れることはできないでしょう。
喜びと共に矛盾し、他者との違いを受け入れる時、私たちは喜びを感じることができるのだと思います。
小さな小道に差し込む陽の光や、入り組んだ小さな水路から反射する月の光は思いもかけない贈り物になることがあります。
今私が知らせを受けた金獅子賞の眩しさは、私が今まで出会った全ての人々に注がれるべきものです。

勅使川原三郎

Like the ever-changing phase of the sky, we live a life more unstable than nature itself.
It will never be without contradiction nor conflict.
Respect and trust among each other, are the only things to allow us to accept these contradictions.
When approaching contradiction with curiosity, and accepting the differences among others, only then can we feel true joy.
A ray of sun penetrating through a small path, or a faint reflection of moonlight through a labyrinth of canals, reward us with unexpected gifts.
The reflection of the Golden Lion Prize that I just received, should be shone upon everyone I have ever met.

Saburo Teshigawara

PROFILE

1985年 KARAS設立
2006年 立教大学現代心理学部映像身体学科教授
2013年 カラス アパラタス設立
2014年 多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科教授
2017年 フランス藝術文化勲章〔オフィシエ〕受章
2021年 同学科客員教授

主な受賞歴
2002年 朝日舞台芸術賞受賞
2006年 「ガラスノ牙」 芸術選奨・文部科学大臣賞
2009年 紫綬褒章

主な活動歴・所属団体等
1981年より独自の創作活動を開始。1985年以降、自身のカンパニーKARASと共に世界中の招聘を受け公演を行い、既存のダンスの枠組みでは捉えられない新しい表現を追求している。呼吸を基礎にした独自のダンスメソッドと、光・音・空気・身体によって空間を質的に変化させる独創的な舞台作品は世界のアートシーンで高い評価を受けており、造形、映像作品も注目を集めている。他にもパリ・オペラ座バレエ団への振付や、ヴェニス・フェニーチェ歌劇場のオペラ演出等も手がける。創作基盤であるメソッドを基礎としたワークショップを活動当初から現在まで、10代〜70代の人々を対象に行っている。

  

関連リンク

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