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米国・アートセンターとオンライン国際協働教育プロジェクトを実施


アメリカ屈指の名門美術大学、アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(以下、ACCD)との国際協働教育プロジェクト「パシフィックリム」を、2021年10月2日(土)~ 4日(月)の3日間、オンラインにて開催します。


2019年パシフィックリム・アメリカステージでの最終発表の様子

アート・デザインの力で課題に対する革新的な解決案を提示

「パシフィックリム」は、本学と本学の海外協定校であるACCDが、国際的な創造現場で活躍する高度な人材を育成することを目的に2006年から毎年実施しているものです。災害や環境問題、高齢化社会といった社会問題から食文化や各国の伝統工芸など生活に密接した日常的な課題までをテーマに取り上げ、そのテーマに対してアート・デザインの力でどう提言できるかグループごとに研究し、革新的な解決案を作品というかたちで提示します。過去に行われた本プロジェクトで学生たちが制作した作品のいくつかは、IDEA(International Design Excellence Awards)やiF(Industry Forum Design Hannover)といった世界的コンペティションで受賞するなど高い成果を挙げています。

通常であれば1年ごとに開催地を交互に設定し、3~4カ月滞在して協働研究を行う短期留学のプログラムですが、昨年は新型コロナウイルスの世界的流行の影響で中止を余儀なくされました。未だ収束が見えない中、今年度は「LIGHT x NATURE」をテーマに自然現象と生体模倣の視点から光と自然の融合について探求する3日間のオンラインプログラムを開催します。

英語力の向上と異文化交流を促進し、世界で活躍するデザイナーを育成する

本学は在学生の10%以上が海外からの留学生であり、20を超える海外の大学と交流協定を結ぶなど、国際大学としての一面も有しています。「パシフィックリム」でも例年、開催地を問わず、プログラムのメインレクチャーはACCDの教員が担当し、すべて英語で行われます。将来的に海外での展開を視野に入れている本学学生にとっては、英語力の向上を図りつつ異文化への理解を深め、国際性を身につける絶好の機会となっています。「パシフィックリム」を経験した卒業生の中には、海外の大学院に進学してさらに専門性を高めたり、国際デザインコンペティションとして名高い「LEXUS DESIGN AWARD」でグランプリを受賞したり、あるいはグローバル企業のデザイナーとして第一線で活躍している人が多数います。

両校から選抜された26名の学生がグループでの協働研究を行う

今回の「パシフィックリム」オンラインプログラムには、両校でのオーディションを経て選抜された学生・大学院生26名が参加します。両校のメンバーをミックスして少人数のグループに分け、それぞれ協働研究を行います。初日は「現象としての光」と題したレクチャーを行い、光をどのように作り出すかを体験。2日目は光を物体として捉える試作品(プロトタイプ)の制作を予定しています。最終日にはグループごとに作品を提示して研究成果を発表し、両校の教授陣による講評が行われます。

アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(ACCD)について

アートセンター・カレッジ・オブ・デザインは、アメリカ・カリフォルニア州パサデナ市にある世界有数の美術大学で、40を超える国々から集まった約2,100人の学生が在籍しています。視覚と応用美術の修養に沿って、工業デザインについて幅広い編成で11の学部と7つの大学院課程を擁し、少人数制の教育、豊かな文化間の学際的対話の希求、学生に革新的な学びと空間を提供することを基本としています。

本学とは1981年から交流があり、その中で生まれたこの「パシフィックリム」プロジェクトは、環太平洋地域に属する2大学でより交流を深めながら新しいデザインの可能性を追求し、世界へ向けて発信していこうと名付けられました。学生のみならず、双方の大学にとっても、相互に不足し、かつ必要なシステムやカリキュラムを学び持ち帰ることができる、大変意義のある取り組みとなっています。

  

関連リンク

パシフィックリムについて別ウィンドウリンク
多摩美術大学の国際交流・留学について別ウィンドウリンク