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多摩美大教員と昭和大学教職員らが連携し「ヘルスケア・デザインチーム」を発足


2020年3月4日、多摩美術大学八王子キャンパスに昭和大学で勤務する多職種の医療従事者7名を招き、「医療現場の課題をデザインで解決する」ための積極的な試みとして「ヘルスケア・デザインチーム」発足を図る第1回目の会議が開かれました。本学からは安次富隆教授(学長補佐)、大橋由三子教授(プロダクトデザイン専攻)が参加し、今後に向けた活動の方針などについて、意見交換を行いました。

会議では、昭和大学のメンバーより各々の接している病院の現場で必要と感じている課題や、あったらよいと感じているツールをプレゼン。緩和ケアの現場で日常使用している、投薬を自己管理するためのカード(製薬会社のノベルティ)が供給停止になって困っており、代わりになるものを開発してもらえないか、といった具体的な相談もなされました。

大橋由三子教授からは、デザイナーが課題解決に携わる領域について、「1つの成果物を生むためには、使用現場の文脈を理解するための綿密な調査や観察と同時に、さまざまなコストなど実装のためのアイデアが必要となる」ことを説明。その上で、大学連携による開発は、通常の開発プロセスでは困難な「医療現場とデザイン」の綿密な連携を可能にするメリットがあるとし、知財管理なども含めて計画してゆく必要性を示唆しました。

安次富隆教授は、「医療の現場にもっと踏み込んだ課題解決のシステムを取り入れるべきだ」と自身の体験も交えながら語り、「将来的には昭和大学の中にデザインセンターを発足させ、さまざまなニーズに対応できるデザイナーを置いてはどうか」といった意見が出されました。

発起人である昭和大学保健医療学部看護学科の大滝周講師からは、今後も継続的な話し合いの場を設けることなど、同グループの発展をめざす考えが出され、まずは具体的な成果物をつくることを目標に定めて動き出しました。


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